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よせのぼつらく
寄席の没落
田中 貢太郎
線上閱讀田中 貢太郎《寄席の没落(よせのぼつらく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 1,654 字 · 4 頁
白木の軒下に微汚い僧侶が首を吊っていた。米は一目見るなり立ちすくんだ。それは前日戸外へ放り出した叔父であった。それにはさすがの米も当惑したが、駈けつけた手前そのままにもいられないので、踏み台を持って来て叔父の死体をおろした。
「畜生奴、場所もあろうに、あてつけがましく、俺の出入さきでやりやがって」
その米の詞が白木の主人の耳に入った。白木の主人は、これには何か仔細がありそうだと思った。で、岡吉の下足番を呼んでその死体を見せると、下足番はあっと云って慄えあがった。下足番は米に口止めをせられた事も忘れて、べらべらと喋ってしまった。白木の主人は米の不人情に腹を立てて、その日から米の出入を差留るとともに、自分の家から叔父の葬式を出してやった。
そんなことがあってから後のことであった。某日、五明楼玉輔が人形町の末広亭から岡吉へ往って、木戸から客席の庭を通って楽屋の方へ往こうとしたところで、縁側の障子の外に微汚いよれよれの法衣を著た男がしょんぼりと坐っていた。玉輔はたぶん寄席へ来た客が、気分でも悪くなって風にあたっているのだろうと思って楽屋へ入ったが、何となく無鬼魅に感じたので、そこにいあわせた前座の者に話すと、