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ずいひつ よせばやし

寄席囃子 正岡容寄席随筆集

正岡 容

線上閱讀正岡 容《寄席囃子 正岡容寄席随筆集(ずいひつ よせばやし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 112,259 字 · 222 頁

青空文庫

金語楼と先代正蔵が小三治で前者に属し、まさしく鎬を削って売り出し中だった。金語楼君の「落語家の兵隊」のごときたしかに優秀な軍隊軽蔑落語であって、徴兵に閉口するまくらのごとくじつに痛快そのものでおかしく、私は今にその一言一句を記憶しているし、正蔵君の「源平」や「お七」のことに籠の鳥を歌う前後の愉しさも、晩年の数倍活気があっておもしろかった。年来の友人だったからあえて正直に書かせてもらうが、晩年の同君は生活的に余裕ができすぎ、それは個人としてはもちろん慶賀に堪えないけれども、もういっぺん今日の少うし間延びのしすぎた話法でなく、あの日あの頃の弾みきった呼吸を取り戻してもらいたいものだと思ったことだった。両者ぐんぐんと売り出していくその人気は、のちの歌笑、痴楽を上超すものがあった。

急逝して私を哭かしめた四代目小さん君はその頃馬楽で、手堅い渋い話術の中に警抜な警句を言い放ち、一部の寄席ファンをして随喜せしめていた。睦会の方には、いまの柳橋、柳好、小文治、文楽君が若手四天王で売り出していた。落語界というところ、明治中世に柳、三遊と別れて以来、(私はその柳、三遊最終期以来の寄席修業者だったが)柳が女子供向けの色物たくさんで、三遊が本格話術を看板の渋向き、この二つの伝統は不思議に今日といえども継承されている。