輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
さむはし
寒橋
山本 周五郎
線上閱讀山本 周五郎《寒橋(さむはし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 18,416 字 · 36 頁
お孝は低く笑いながら、
「ああ気をつけてね、行燈が消えててよ」
こう云って良人とすれ違った。もういちどはもとの常磐津の師匠が病気だというので、四五人の稽古友達とみまいにゆくことになった。おたみの手がはなせないので、みまいの品を持って独りででかけたが、帰りにはみんなで夕飯をすることになっていたから、念のため采女町の店へ寄った。
「たぶん日本橋の花川だと思うの、お文ちゃんもよんちゃんもいける口だから少しおそくなるかもしれないけど、……もし早かったら槇町へちょっと顔出しして来ますからね」
良人にこう断わっていった。
師匠の家は木挽町三丁目にある。もう五十六七になる陽気な人で、腰の筋を違えたというだけの、病気とはいえない軽い故障だった。集まった友達はみんな結婚していたし、下町で育って下町ぐらしの、それぞれ活きのいい者ばかりだから、いっそ花川などはやめて此処で賑やかにやろうということになり、たちまち受持をきめて必要準備をととのえ、正しく賑やかに酒宴を始めた。
音頭取りはお文ちゃんであった。お孝とは隣りづきあいの幼な友達で、家は佐野庄という大きな足袋屋、お孝より二年はやく婿を取って、もう三人の子持ちだった。