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からすうりのはなとが
寺田寅彦随筆集 第三巻
寺田 寅彦
線上閱讀寺田 寅彦《寺田寅彦随筆集 第三巻(からすうりのはなとが)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 213,804 字 · 425 頁
てにはに連関して考うべきことは切れ字の問題である。これは連歌時代からすでに発句がそれ自身に完結し閉鎖した形式を備えるべきものと考えられた結果起こった要求に応ずるための規定である。閉鎖してさえいれば四十八字皆切れ字であり、閉鎖していなければ「や」でも「かな」でも切れ字ではない。閉鎖するとは何を意味するか。これはむつかしい問題であるが、私見によると、二つの対象が対立して、それが総合的に一つの全体を完了する、いわば弁証法的とでも言われる形式を備えるのが「切れる」の意味であるらしく思われる。少なくもこれが自分の現在の作業仮説である。「や」はその上にあるものと下に来るものとを対立させるための障壁である。句を読むものが舌頭に千転する間にこの障壁が消えて二つのものが一つになりいわゆる陪音が鳴り響く。「かな」は詠嘆の意を含む終止符であるから普通の意味でも切れる切れ字には相違ないが、また一方では、もう一度繰り返して初五字を呼び出す力をもっている。そういう意味で終わりの五字と最初の五または五七とを対立させる機能をもっており、従って「や」と同等である。実際「や」と「かな」