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ろうじゅうのめがね
小笠原壱岐守
佐々木 味津三
線上閱讀佐々木 味津三《小笠原壱岐守(ろうじゅうのめがね)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 57,249 字 · 115 頁
国民皆兵主義の提唱がその一つだった。
第二は、軍器製造所創設の案だった。
兵器廠設置の案はとにかくとして、士族の特権だった兵事の権を、その士族の手から奪いとろうとした国民皆兵主義の提案は、忽ち全国へ大きな波紋を投げかけた。
「のぼせるにも程がある。町人や土百姓に鉄砲をかつがせてなんになるかい」
「門地をどうするんじゃ。士族というお家柄をどうするんじゃ」
その門地を倒し、そのお家柄を破壊して、四民平等の天下を創み出そうと豪語した旧権打倒御新政謳歌の志士が、真っ先に先ずおどろくべき憤慨を発したのである。
その声に、不平、嫉妬、陰謀の手が加わって、おそろしい暗殺の計画が成り立った。
「奴を屠れっ」
「大村初め長州のろくでもない奴等が大体のさ張りすぎる。あんな藪医者あがりが兵部大輔とは沙汰の限りじゃ」
「きゃつを屠ったら、政府は覆がえる。奴を倒せ! 奴の首を掻け!」
呪詛と嫉妬の声が、次第に集って、大楽源太郎、富永有隣、小河真文、古松簡二、高田源兵衛、初岡敬治、岡崎恭輔なぞの政府顛覆を計る陰謀血盟団が先ず徐々に動き出した。
五人は、その大楽源太郎の命をうけた、源太郎子飼いの壮士たちだった。