輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

しょうせつ えんちょう

小説 圓朝

正岡 容

線上閱讀正岡 容《小説 圓朝(しょうせつ えんちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 163,270 字 · 325 頁

青空文庫

そこまで事態は切迫していた。そうした目狂おしいばかりの非常時歳時記の真っ只中で、どの芝居へも、どの寄席へも、恐しいほどよくお客がきていた。

燭火の尽きなんとする一歩手前の明るさのような無気味なものをまんざら誰もが感じないわけでもなかったが、それはそれとし圓朝自身のことにすればあくまでいう目はでるばかりだった。小糸との間も、日に日に深くなっていたし、いま、この世の中は全く自分のために動いているか。そうした考えを抱いたとてさして大それてはいなかろうくらいだった。

でる杭は打たれる。

しかし仲間での圓朝への非難は、ようやくこのころから目に見えて勢いよく沸騰してきた。柳派の首領春風亭柳枝など手堅い素噺の大家だけに、圓朝打倒の急先鋒だった。日頃、ひそかに圓朝の盛名を妬んでいた連中も、しめたとこの大傘下へ集まってきて気勢を上げた。そこへ持ってきて当の三遊派の家元で圓朝取り立ての師匠たる二代目圓生が、双手を挙げてその打倒論へと賛意を表した。客の中にも文化文政ごろからの生き残り爺さんがまだいて、初代の可楽はどうのむらくはどうのと五月蠅いことを並べ立てる手合が少なくなかった。