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しょうせつ えんちょう

小説 圓朝

正岡 容

線上閱讀正岡 容《小説 圓朝(しょうせつ えんちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 163,270 字 · 325 頁

青空文庫

いたし、「客人何々を御存じか」などと風流志道軒の昔を今に大風な口の利き方の講釈師ありせば、これまた、速記も同じような大口利いていたからである。往年、私の愛読した『檜山実記――相馬大作』など「百猫伝」で知られた桃川如燕の速記だったとおぼえているが、開口一番、如燕自ら今日の講釈師の不勉強不熱心をさんざんにこき下ろして、さて本題に入っている。すでにここが今日のいやに整頓されてしまっている速記とちがっておもしろいが、さらに第何席目かの喋りだしにおいては「ここ二、三日、宿酔の気味で休みまして」と正直に断っている。何もそんなこといちいち断らずとも読者には分らないのであるが、それをハッキリと断り、速記者もまた克明にその通りを写して紹介しているところがいよいよおもしろい。好もしくもある。然るに――さらにさらに終席ちかくに至ると突然貞玉(?)とかいう人(のちの錦城齋典山だろうか、乞御示教)が突然代講していて、なんとこういっている。

「如燕先生は大酒が祟って没りました。で拠ん所なく今日からは私が……」云々。

読んでいて私、ふっと瞼の熱くなってきたことを何としよう。もはやここまでくると『檜山実記』