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こさかいふぼくし
小酒井不木氏
平林 初之輔
線上閱讀平林 初之輔《小酒井不木氏(こさかいふぼくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 1,444 字 · 3 頁
最後に、博士はついに探偵小説の作家としてたった。二三の短編を発表したあとで、出世作「恋愛曲線」があらわれて、氏の探偵小説家としての地位は第一線におかれるようになった。この小説は氏の両方面の特色、科学的な理性の透徹と、詩人的な想像力の奔放とを兼ね備えたスリリングな傑作である。いうまでもなくこの二つの特色が同一人に兼備されている場合は甚だまれである。氏はこのまれな人の一人であった。そして偉大な探偵小説作家にはこの二つの特色は是非とも必要とされるものである。
氏の創作短編集には『恋愛曲線』『疑問の黒枠』等があり、その他これらの集におさめられていない作品も相当の数にのぼるであろう。病弱の身で、多方面な研究と著述とに従いながらこれだけの収穫をのこした氏はかなり多産な作家であったといえる。
五月号『新青年』に氏の「闘争」が載っている。科学者としての氏の特色のより多く出た作品であるが科学者の人間実験という着想そのものが既に氏の詩人的なスケールの大きさを示している。
(『東京朝日新聞』一九二九年四月四日)