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しょうねんたんていちょう

少年探偵長

海野 十三

線上閱讀海野 十三《少年探偵長(しょうねんたんていちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 110,286 字 · 221 頁

青空文庫

少年は、ざんねんに思った。

しかしなにかうまい方法を考えつくかもしれないと、その後も頭をひねって、監房の前の交通に注意を怠らなかった。

机博士が、朝早く一度、前を往復する。しかし牛丸少年のところへは寄らない。どうやら博士は、階下の戸倉老人を診察にゆくように思われる。老人は、ずっと身体がよくないのであろう。ある日の夕方、食器を下げるために、小竹さんがまわってきた。いつものように頬かぶりをし、その上にうす茶色の、かたのくずれた鳥打帽をのせていた。彼は、監房の鉄格子をとんとんと叩いて、牛丸少年に早く食器をだせとさいそくした。

牛丸は、食器を両手に持って、入口までいった。そして鉄格子の向うに待っている人物と顔を見あわせて、おどろいた。

「しいッ」相手は、唇へ指を立てて、しずかにするようにと注意した。頬かぶりに鳥打帽の姿はいつも見なれた小竹さんの姿だったが、顔はちがっていた。ひげだるまのような戸倉老人であったではないか。

「あッ、あなたは、どうしてここへ……」

「しずかに、わしは君に聞きたいことがあって、危険をおかしてここへやってきた」

と、老人はそれから岡持を床へおき、顔を鉄格子につけて早口で牛丸君に話しかけた。