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しょうねんたんていちょう

少年探偵長

海野 十三

線上閱讀海野 十三《少年探偵長(しょうねんたんていちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 110,286 字 · 221 頁

青空文庫

牛丸はおだやかな小竹さんの態度にますます恐縮して、彼もまた一生けんめいになって破片を拾った。

しばらくしてそれは終った。小竹さんはそのまま立ち上り、外へでた。そして入口に錠をかけりて立ち去った。その小竹さんのおだやかさに、牛丸は始めたいへんに叱られると思っていただけに非常に意外で、小さい窓口から小竹さんのうしろ姿を見送っていた。

そのときであった、彼はうしろから、かるく背中を叩かれた。

おどろいた、このときは! この監房には自分の外に誰もいないのだ。だから少年はびっくりして、その場にとびあがったのだ。ふりかえった。

「あッ」

「しずかに!」白いきれを頭からすっぽりかぶり、すその方まで長くひいた怪物が、子供の声をだした。その白いきれがとれ、中から少年の顔がでた。

「あッ、春木君!」

「牛丸君。よくぶじでいてくれたね」

「ぼくを助けにきてくれたんやな。こんなあぶないところへ、よくきてくれたなあ」二人は、ひしと抱きあい、頬と頬とをおしつけて涙をとめどもなく流した。

どうして春木少年は、このおそろしい山塞にもぐりこんだのか。また、小竹さんが、なぜ春木少年を、そっとこの監房の中へすべりこませたのか。