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しょうねんたんていちょう

少年探偵長

海野 十三

線上閱讀海野 十三《少年探偵長(しょうねんたんていちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 110,286 字 · 221 頁

青空文庫

が、すぐ博士は元にかえって、そのような乱暴は思い止ってくれと哀願した。

「ならん。お前の部屋へゆくんだ。先へ歩け。命令をきかねば、毒矢をぶっ放すぞ」

もう仕方がなかった。机博士は、しおしおと歩きだした。その背中に、頭目が毒矢銃をぴったりとおしつけた。

「自業自得だ。頭目をだしぬこうなんて、反逆行為だ。反逆行為の刑罰はどんなものだか、知っているだろう」

向うを向いて、重い足をひきずって進む机博士の顔には、ふしぎな笑みが浮んでいた。

(今にめにものを見せてくれる。その時になって腰をぬかすまいぞ。へん、おれの作った罠の中にわざわざおはいり下さるのだ。四馬剣尺の化けの皮を、今にひんむいてくれる)

博士のひそかなる気味のわるい笑いは、もちろん頭目には見えるはずもなかった。その頭目もまた、ひそかなる笑みを口のあたりに浮べていたのだ。

(見ろ。こんどというこんどは、陰謀屋の机博士に致命傷をくらわせてやる。きさまは、自分のわる智恵の中に、自分でおぼれてしまうのだ。それにまだ気がつかないとは、きさまもあんがい頭がよくないて)

狐と狼の化かし合いだ。どっちが狐で、どっちが狼か。