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しょうねんたんていちょう
少年探偵長
海野 十三
線上閱讀海野 十三《少年探偵長(しょうねんたんていちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 110,286 字 · 221 頁
「おい、首領に報告したか」
「知らせたとも。今ここへ、首領もでてくる、といってた」
こんなさわぎが起っていたから、二少年と戸倉老人の脱出は、あんがい楽に行われたのだ。そしてみんなが網を張れだの、崖の上へいってそっと綱をひいてみろだの、竹ばしごを組んで二人ばかり登って助けろだのとさわいでいる間に三人の脱走者は反対方向の山へまぎれこんでしまったのである。
生命がけの脱出
二少年と戸倉老人とは、たがいに助けあって、山また山をわけて逃げた。
本道へでると、六天山塞の悪者どもに見つかるおそれがあるので、道もないところを踏み分け、わざわざ遠まわりをして逃げた。山のことは、さいわいにもこの土地生れの牛丸少年がたいへんくわしいので、方向をあやまるようなことがなかった。山塞を抜けでたのが、朝の八時ごろであった。それから太陽が一番高くなる正午に近くまでの約四時間を、三人は強行して逃げた。
腹が減ってならなかったが、戸倉老人はさすがに用意がよく、腰につけてきた包みの中から、チョコレートとビスケットを出して、二少年に分けあたえた。おいしかった。谷間の水にのどをうるおしながら、三人は、あらたな元気をふるい起し、それから又もや苦しい行進をつづけた。