輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
びょうぶはたたまれた
屏風はたたまれた
山本 周五郎
線上閱讀山本 周五郎《屏風はたたまれた(びょうぶはたたまれた)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 11,953 字 · 24 頁
娘はあとでひどく泣き、この恋がかなえられないのなら尼になってしまう、と妹のみはるに云ったそうであるが、それから半年と経たぬうちに、他の藩の重職の家へ嫁していった。――北島との縁談はその年の二月にはじまった。北島は五百石ほどの留守役で、男子二人に娘が一人ある。娘は美貌と才芸にたけている点で、まえから家中に知られていた。そういう娘は負担に思えるので、彼は気乗りがしなかったが、江戸家老が仲人に立つと云い、親たちが熱心にすすめるので、どちらでもいいという、なかば投げた気持で承知をした。
あの(誰かのいたずらだと思える)手紙が来はじめたのは、北島との縁談を承知してからまもなくのことであった。彼はいたずらをしそうな友人の二三を考え、その手には乗らないぞと思った。すると、三度めの手紙が来てからほどなく、「祝言の日どりを少し延ばしてもらいたい」ということを北島から申入れて来た。
――娘の健康がすぐれないので、半年ほど養生をさせたいから。
という理由である。祝言は十一月の約束で、まだ六十日ちかくも先のことだが、医者の注意があったというし、いそぐ必要もないので、承知したと答えた。