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やまとゆきのにっき
山と雪の日記
板倉 勝宣
線上閱讀板倉 勝宣《山と雪の日記(やまとゆきのにっき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 32,279 字 · 67 頁
尾根はすべて雪がない。スキーで中房へ越えるのは駄目だと思った。再びスキーをつけて、槍ガ岳を右に見て一ノ俣に降る。大きなボーゲンを画いて木の間を縫いながら十分ばかりで降りた。雪は一丈余もあろう。河はほとんど埋っている。針葉樹の下を通って行くとハラハラと雪が木から落ちてくる。中山の登りは、スキーをぬいでの跡を登った。上に着いて休むと、一時に汗が引込んで、風が木々を渡って行った。中山の下りは急で、雪は実に好い。プルツファシュネーに近い。スキーから雪煙が立って、音のない谷にシューという快い音をたてて風をきって下りた。初めはステムボーゲンを猛烈にやらねばならなかったが、途中から直滑降にうつって、木が後ろに飛んで行くように見えた。二ノ俣の池で焚火をして飯を食った。水を探すに骨を折るくらい一面の雪の原である。これからはスキーは雪の小山を上ったり下ったり、ほとんど黙っていても滑って行く。夏のことを思うとその道といい骨折りといい、馬鹿気たものだと思う。案内は上の方に見える棧道をさして笑った。二ノ俣のドーの小屋の中には、池のように水が溜っていた。さすがにここは谷川が流れている。