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やまとゆきのにっき

山と雪の日記

板倉 勝宣

線上閱讀板倉 勝宣《山と雪の日記(やまとゆきのにっき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 32,279 字 · 67 頁

青空文庫

案内の※(「木+累」、第3水準1-86-7)をはいて、槍沢を登っていった。※(「木+累」、第3水準1-86-7)の歯はザクリザクリと雪に音をたてて食いこんだ。なんだか自分が蟻のように小さいように思いながら、急いで登った。一ヵ所熊の足跡が谷を横ぎっていた。槍がちょっと見えた。なるほど雪がない。天気さえ好ければ、一日かければ槍は楽に登れそうだ。虚栄心でくる連中でなく、心から槍の眺めを拝しにくる人なら、きっと荘厳な景色が見られる。僕らはまたくるとしようと口惜しがりながら、顔だけは平気を装って、すたすたと大股に引返した。遠くに小屋の頭がちょっと雪の上に見えた。小屋に帰ると皆待っていてくれた。飯をすまして午前九時に出発した。スキーをはいてたちまち小屋を後に滑った。谷を降りながらヤーホーと声をかけると上の方からヤーホーと応じて、スキーが雪をする音が聞えてくる。休んで木を見あげると、木鼠がガサガサと木を登って遊んでいた。二ノ俣のドーへきて、顔を洗っているうちに案内がやってきた。横尾の屏風岩を見るころ雨が降ってきた。雪がザラメのためにスキーに少しも付着しない。だんだん広い原に出てきた。