輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

パリさい

巴里祭

岡本 かの子

線上閱讀岡本 かの子《巴里祭(パリさい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 30,324 字 · 60 頁

青空文庫

新吉は一応内懐の紙入れを調べて帽子を冠りドアーを開け放して来てから、椅子に腰掛けてリサを待ち受けた。いら/\した貧乏ゆすりが出た。そうしながらも新吉は残酷と思いながらしきりにおみちのおさな顔に白髪の生えた図を想像した。

家鴨料理のツール・ダルジャンでゆっくりした晩餐をとった後、新吉とリサとは直ぐ前のセーヌ河の河岸に沿って河下へ歩き出した。酔った新吉をリサは小児のようにいたわっていた。

リサは健康で牛のような女だった。新吉が彼女に逢ってから十年近くも経つのに彼女は相変らず遊び女を勤めている。リサに言わせると遊び女は母性的な彼女の性格には一番相応しい職業だといっている。彼女は巴里へ来たての外国人の男たちを何人となく巴里に馴染むまでに仕立て上げる。男達はそれまで彼女の厄介になると彼女から離れる。そしてもっと気の利いた面白い女へ移る。然し彼女はすこしも悪びれず男を離してやって、また次の初心な外国人を探し出す。離れてしまった男たちも時が経つとやっぱり彼女に懐しみを蘇えらせて来て彼女と交際うようになる。そのときは彼女をみんな「おばさん」と呼んでいる。彼女もそのときはおばさんの立前になっていろいろ親切に世話をやくのであった。