輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
線上閱讀林 不忘《巷説享保図絵・つづれ烏羽玉(こうせつきょうほうずえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 365,120 字 · 728 頁
のであろうと薄気味わるい気がした。
火は高く上がって、どこからでも見えるようになっていた。王子権現の手妻小屋が火事という声は、かすかに煙の見える範囲へまでたちまちのうちにひろがった。遠く近く半鐘が鳴って火消しが集まりつつあった。場所が祭の雑沓なので、騒ぎは倍にも三倍にもなった。
お駒ちゃんは、その天人姿の扮装のまま舞台をいったり来たりして走りながら、叫ぼうとしてけむりにむせる。お駒ちゃんは、下の土間に立って、人にはさまれて袖で口をおおっている磯五を見たのだ。磯五は茶人のような頭巾を脱いだことがないので、どこにいてもすぐ眼につくのだ。磯五は、左右に一人ずつ女を抱きかかえて、きちがい犬のように見にくく取り乱してあちこちよろめいていた。
お駒ちゃんは一瞥でその二人の女をみて取った。それは磯屋のお針頭のおしんと、もう一人の若いほうは、小間使いのお美代であった。お美代は、小間使いというよりも、お駒ちゃんが磯屋を出たあとは、おおびらに磯五の妾のようになっている女であった。おしんは、以前から磯五とそういう交渉があって、お駒ちゃんのいたころから、お駒ちゃんとおしんのあいだには、いざこざが絶えなかったものだ。