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ばくまついしんかいこだん
幕末維新懐古談
高村 光雲
線上閱讀高村 光雲《幕末維新懐古談(ばくまついしんかいこだん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 2,774 字 · 6 頁
これは政吉を表面に立たせて働かすこそかえって目下のためであろう。――こう私は考えました。
この事は誰にも相談したのではなく、自分でかく決心して身を退く覚悟をきめたのでありましたが、さりながら、足元から鳥の立つよう、今日からお暇を頂くというのも余りいい出しにくく、月に半月ずつの暇を貰いたいことを申し出ました。すると、未亡人は、では、そうしてもらいましょうと、別に私を引き止めもしませんから、なるほど、これなれば身を引くにもかえって好都合と、それから十日のものが七日、五日と段々足が遠のくにつれて、こちらはますます入れ子の人間となり、政吉は、果して、まず立派に店のことをやって行くようになりましたから、今は、もう、すべてを政吉に譲るべきであると思い、清く私の身を引いたことでありました。
政吉は後年ずっと師匠没後の家におり、その二階で病死したのでありました。
さて私のその後のことについては、ここで初めて師匠の家を離れ、独立することになるのであるから、私の境遇はまた一段と形が変って来るわけであります。
私は、その頃は、堀田原の家を移って森下へ抜ける寿町へ一軒の家を借り其所におりました。