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ばくまついしんかいこだん

幕末維新懐古談

高村 光雲

線上閱讀高村 光雲《幕末維新懐古談(ばくまついしんかいこだん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 3,132 字 · 6 頁

青空文庫

知らずにいたのであります。で、どういう会が出来ていて、どういう人たちが会合して、どんなことを話し合ったり研究しあったりしているかなどは、さらに知らない。ただ、自分の仕事を毎日の仕事として、てくてく克明にやっていたばかりであったのです。

ところが、明治十七年に初めて日本美術協会というものに或る一つの小品を高村光雲の名で出品しました。これがそもそもの私の世間的に自分の製作として公にした最初のことであった。今日までは全く蔭の仕事、人目には立たぬ仕事、いかに精力を振い、腕によりをかけたものであっても、それは私の仕事としては社会的に注目されるものではなかったのでありました。

ここで美術協会の起りのそもそもの最初の事を話します。明治十三年頃に、当時或る一部の数奇者――単に数奇者といっては意を尽くせませんが、或る一部の学者物識りであって、日本の美術工芸を愛好する人たち――そういう人たちが、その頃の日本の絵画、彫刻その他種々の工芸的製作が日に増して衰退し行く有様を見るにつけ、どうもこのまま打っちゃって置いては行く末のほども案じられる。これは今日において何らか然るべき輓回の策を講じなくてはならない、と、こう考え及んだのであります。