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ひらがたけとうはんき

平ヶ岳登攀記

高頭 仁兵衛

線上閱讀高頭 仁兵衛《平ヶ岳登攀記(ひらがたけとうはんき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 13,907 字 · 27 頁

青空文庫

路があってそこを登った時には、真暗になって足下も見えなくなって来た、その夜はここに野営して水に遠いので一飯を抜くことにして睡むった。

二十一日は五時二十分に出発した、路は明瞭な細径となって七時に峠を下った、ここで昨日の夜食と兼帯な朝飯をして九時五十分にこの地を離れた、間もなく尾瀬沼へ出て燧岳の登山口を過ぎて十時五十分に長蔵小屋に着いた、昨年の小屋は岩代の地籍にあったが、本年は上野の地籍に山中としては贅沢過ぎるほどな、旅店風の大家を新築している最中であった、自分はそこから日光の湯本へ向ったが平ヶ岳の紀行はこれで結末とする。

平ヶ岳に登るには初冬の頃がよいと思う、白沢の水量も減じていようし、熊笹や雑木の勢いが夏期のように旺盛ではないし、人夫も比較的に閑暇であるから便利だというのである、余分の日子と防寒具の用意をして初冬に登るべきである。

人夫は本年四人を連れていっているから、これだけ案内者を養成した訳である、下折立の星甚太郎、この男は二回登攀している訳である、銀山平の星定吉、この男は熊狩をしているから谷や沢の方は詳しい、以上の二人の中の一人がいれば案内は出来る、大湯温泉東栄舘の桜井次郎は弱年であるから保証はしにくい、藪神村の桜井兼吉は遠方だから予定する