輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
げんじゅつてんまたろう
幻術天魔太郎
野村 胡堂
線上閱讀野村 胡堂《幻術天魔太郎(げんじゅつてんまたろう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 45,616 字 · 90 頁
それをめあてにゆくと、なんと目のまえにポカリと穴があいて、猫間犬丸は道灌山の崖したの、あるりっぱな家の庭に立っておりました。
それは小大名の下屋敷とも見え、大きい料理屋とも見えるふしぎな家でした。
しばらくグズグズしていると、
「猫間さま、おまち申しておりました。どうぞこちらへ」
うつくしい腰元ふうの少女が、縁がわにかしこまるのでした。猫間犬丸はギョッとしましたが、よわみを見せては、かえってわるかろうと、威儀をただして、縁がわにのぼると、お腰元のあんないするまま、二階にのぼってゆきました。
「や、おのれは、天魔太郎ッ」
二階の広間、床の間を背にして、しずかにまっているのは、なんと、天魔太郎の落つきはらった顔ではありませんか。
「猫間氏、ここにはもう、敵も味方もない。私は駿河大納言の一子。将軍家光や、その家来どもにはうらみもあるが、大阪城の侍大将塙団右ヱ門の孫には、恩もうらみもない」
「な、なんと申す」
猫間犬丸は、たちはだかったまま、目をむきました。
「かくされるな猫間氏。貴公は長崎おもてにおいて、異人に妖術をまなび祖父のうらみをはらさんため、将軍家光にちかづこうとし、そのつてをもとめて、ちかごろ江戸へ出られたではないか」