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げんだん

幻談・観画談 他三篇

幸田 露伴

線上閱讀幸田 露伴《幻談・観画談 他三篇(げんだん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 80,544 字 · 161 頁

青空文庫

丁度午後三時のことでありましたが、前の四人は四千尺ばかりの氷雪の処を逆おとしに落下したのです。後の人は其処へ残ったけれども、見る見る自分たちの一行の半分は逆落しになって深い深い谷底へ落ちて行くのを目にしたその心持はどんなでしたろう。それで上に残った者は狂人の如く興奮し、死人の如く絶望し、手足も動かせぬようになったけれども、さてあるべきではありませぬから、自分たちも今度は滑って死ぬばかりか、不測の運命に臨んでいる身と思いながら段※(二の字点、1-2-22)下りてまいりまして、そうして漸く午後の六時頃に幾何か危険の少いところまで下りて来ました。

下りては来ましたが、つい先刻まで一緒にいた人※(二の字点、1-2-22)がもう訳も分らぬ山の魔の手にさらわれて終ったと思うと、不思議な心理状態になっていたに相違ありません。で、我※(二の字点、1-2-22)はそういう場合へ行ったことがなくて、ただ話のみを聞いただけでは、それらの人の心の中がどんなものであったろうかということは、先ず殆ど想像出来ぬのでありまするが、そのウィンパーの記したものによりますると、その時夕方六時頃です、ペーテル一族の者は山登りに馴れている人ですが、その一人がふと見るというと、リスカンという方に、ぼうっとしたアーチのようなものが見えましたので、はて