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げんだん

幻談・観画談 他三篇

幸田 露伴

線上閱讀幸田 露伴《幻談・観画談 他三篇(げんだん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 80,544 字 · 161 頁

青空文庫

極小さな部分の中の小部分でもその通りだ。そういう訳だから、魔法の談などといっても際限のないことである。

我邦での魔法の歴史を一瞥して見よう。先ず上古において厭勝の術があった。この「まじなう」という「まじ」という語は、世界において分布区域の甚だ広い語で、我国においてもラテンやゼンドと連なっているのがおもしろい。禁厭をまじないやむると訓んでいるのは古いことだ。神代から存したのである。しかし神代のは、悪いこと兇なることを圧し禁むるのであった。奈良朝になると、髪の毛を穢い佐保川の髑髏に入れて、「まじもの」せる不逞の者などあった。これは咒詛調伏で、厭魅である、悪い意味のものだ。当時既にそういう方術があったらしく、そういうことをする者もあったらしい。

神おろし、神がかりの類は、これもけだし上古からあったろう。人皇十五、六代の頃に明らかに見える。が、紀記ともに其処は仮託が多いと思われる。かみなびの神より板にする杉のおもひも過ず恋のしげきに、という万葉巻九の歌によっても知られるが、後にも「琴の板」というものが杉で造られてあって、神教をこれによりて受けるべくしたものである。