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きかがくとくうかん

幾何学と空間

戸坂 潤

線上閱讀戸坂 潤《幾何学と空間(きかがくとくうかん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 37,420 字 · 74 頁

青空文庫

であるから縦え形が消えたというにしても空間表象が無くなったことにはならない。それ故円の赤い色が消えても円が或いは少くとも延長が消えるということはない。明らかに空間が存在しなければ色は存在しない。併しその逆は必ずしも真理ではない。一体色が存在するというが存在とは何か。それは明らかに空間的存在の外ではない。そうとすれば存在とはこの場合要するに空間のことである。であるから延長と色とが独立に存在し得ない、従って延長はその存在を色に負うている、という推論は無効である。さて以上のことは空間が色と――一般に又他の感覚内容と――同格の感覚内容ではないということを示している。その理由は正に次のことの内にある。即ち空間は延長と形との両面を持っている、形が消えても延長は消えない。然るに色はこのような両面は持たない。赤が消えても色一般は消えないというかも知れないが、吾々は色一般の感覚は持たない。赤と色一般とは同格の内容ではない――形と延長とは何れも表象し得るという点で同格である。表象された空間はシュトゥンプフ自身の云うように多数の印象ではなくして一つの統一でなければならぬ(S. 126)。