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いくどめかのさいご

幾度目かの最期

久坂 葉子

線上閱讀久坂 葉子《幾度目かの最期(いくどめかのさいご)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 59,103 字 · 121 頁

青空文庫

そして会ったその時、何とお互にもつれてしまったのです。彼は帰ると云いました。私は泣きじゃくりながらひきとめました。駅までゆき、猶もひきとめました。丁度、作曲家の友人に出会い、彼もひきとめてくれたのです。喫茶店へはいりました。私はもうすっかり精神が錯乱しちまって、何を云ったのかわからない。一人で喋ったのです。

もう、つながりがないのだ、と彼が云ったからです。私は、がく然としたのです。今こそ、本当に、緑の島とのことも解決されて、彼に何もかも奪ってほしい気持になってたのですから、その気持が強かったからこそ、私は彼の言葉におどろき、何とかして、愛情をよびもどそうとあせったのです。彼は、私の目に真実がないのだと云いました。そうだったかも知れない。私は、心のある部分で、緑の島を愛し、それから、安楽椅子をちゃんとつくったりしていたのだから、それは青白き大佐なんだ。痛ましかった。私のお喋りに、彼は、俺に説教するつもりかと云った。そしてせせら笑いもしたのです。芝居の公演の時間がもう後わずか、作曲家の友人は先に出てゆき、私と彼は、いがみ合っている。もう時間もない。私は彼を駅へ送りに行った。