輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

いくどめかのさいご

幾度目かの最期

久坂 葉子

線上閱讀久坂 葉子《幾度目かの最期(いくどめかのさいご)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 59,103 字 · 121 頁

青空文庫

そして、にくみました。ものすごく。彼のことを人々に云いました。云う度に、彼への愛情がうすらいでゆくんだと、自分で独りぎめしながらね。病気がよくなって、彼に会った時、つめたい表情で、彼は私に、嫌味のようなことばかりを云ったもんです。私はもう自分の気持に終止符をうちました。そして、十一月頃、そうだ、二十日なの、その日に、貸していた金額四千円をもらうため彼に会いました。彼はだまって、そっと、四千円出し、はやくしまえ、って云ったわ。それ迄に、私は、随分出たらめを云いました。結婚するんだ。来年。そんなことを、衝動的に、たくさん云ったのです。じっと私の顔をみてました。そして、次の木曜日、再会を、彼の方から云い出したんです。映画館の前で別れる時。握手した時。私は、自分で、彼をさげすめ、さげすめと号令しながら、だんだん、愛情を自分でみとめてしまうようになっちまった。小母さん、私はその夜、京都へ行って、別の人の、愛撫をうけたんです。彼のことを少しのべます。今、私がとても愛している人なんだ。病気で寝ている時、れもんをもって幾度か見舞に来てくれているうちに、私は愛というより、ほのぼのとした、わけのわからない感情を持ちはじめたのです。