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きゅうどうちゅうそでん
弓道中祖伝
国枝 史郎
線上閱讀国枝 史郎《弓道中祖伝(きゅうどうちゅうそでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 9,647 字 · 19 頁
手に手に持っている獲物といえば、鉞、斧、長柄、弓、熊手、槍、棒などであった。先へ立った数人が松明を持ち、中央にいる二人の小男が、蛇味線を撥で弾いていた。
頭領と見える四十五六の男は、さすがに黒革の鎧を着、鹿角を打った冑を冠り、槍を小脇にかい込んでいた。
この一党は何物なのであろう? いわば野武士と浪人者と、南朝の遺臣の団体なのであった。応仁の大乱はじまって以来、近畿地方は云う迄もなく、諸国の大名小名の間に、栄枯盛衰が行なわれ、国を失った者、城を奪われた者が、枚挙に暇ないほど輩出した。その結果禄に離れた者が夥しいまでに現われた。すなわち野武士浪人が、日本の国中に充ちたのである。それ以前から足利幕府に、伝統的に反抗し、機会さえあったら足利幕府に、一泡吹かせようと潜行的に、策動している南朝方の、多くの武士が諸方にあった。すなわち新田の残党や、又、北畠の残党や、楠氏の残党その者達である。で、そういう武士達は、時勢がだんだん逼塞し、生活苦が蔓延するに従い、個人で単独に行動していたのでは、強請、押借というようなことが、思うように効果があがらなくなったのと、いうところの下剋上――下級の者すなわち貧民達が、上流の者を凌ぎ侵しても、昔のようには非難されず、かえって正当と見られるような、そういう時勢となったので、そこで多数