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のちのなりひらぶんじ

後の業平文治

三遊亭 円朝

線上閱讀三遊亭 円朝《後の業平文治(のちのなりひらぶんじ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 109,545 字 · 216 頁

青空文庫

女「多分昼前からまいるように申して居ったように聞きました、お帰りは確かに夕方(ゆうかた)と申しました」

文「この御親切は決して忘(わすれ)ませんぞ、さゝ、お前さんは人に心付かれぬように早くお帰り下さい、お礼は後(あと)で致します」

女「何(ど)う致しまして、そんなお心遣(こゝろづか)いには及びません、左様なら旦那様、追ってまた私(わたくし)からお礼をいたします」

文「それこそ無用、これが何よりの礼だ、この文治は生れてより是れ程悦ばしいお礼を受けた事はござらぬ、千万辱けのう存じます」

と両手を支(つ)いて居ります。

女「旦那様、それでは恐入ります、何(ど)うぞお手をお上げ下さいまし」

文「御主人……御主人」

主「はい/\、すっかり聞きました、さアお使(つかい)なら何処(どこ)へでもまいります」

文「御老人を使うは心ないようでござるが、大切の使、外(ほか)の者に頼むわけにまいらぬから、御苦労でも一寸(ちょっと)松平右京殿のお屋敷まで」

主「はい、あの藤原喜代之助様のお屋敷」

文「左様、この手紙を御持参下さい」

主「へえ/\畏(かしこま)りました」