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こいとじってときんちゃくきり
恋と十手と巾着切
山中 貞雄
線上閱讀山中 貞雄《恋と十手と巾着切(こいとじってときんちゃくきり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 12,138 字 · 25 頁
S=長屋の表
三次淋しく出て来た。
自分自身に言い聞かす様に、
T「それでいいんだ」
と言って悲しく、
T「矢張り俺なんぞの惚れる女じゃ無かった」
と諦めた。
S=お絹の家
棚倉伝八郎と門弟の一人がお絹を口説いて居る。お絹の傍に勝坊がいる。
T「お断り致します」
えッと驚く棚倉。
お絹が「お帰り下さいまし」ときっぱり断わる。(F・O)
S=三次の宅(夜である)
行燈の燈影で三四郎が大刀の鞘を払って凝視する。
傍から三次も覗き込む。
三四郎会心の笑を浮べて刀を鞘に収める。
三次が、
T「愈々明日は敵討で御座んすね」
と云われて、流石に嬉しさ包み切れぬ三四郎です。と表戸を叩く音。
三次オヤッと立ち上る。
尚も表戸がドンドン叩かれる。
「誰だ」と三次要心深く土間へ下りて、
戸を開けると、
転がり込んだ勝坊。
T「姉ちゃんがッ!」
と叫ぶ。
三次驚いて「どうした」と問う。
勝坊尚も、
T「姉ちゃんが!」
と叫ぶ。
S=長屋の夜
棚倉一味の門弟がお絹を引抱えて無理に駕籠に押し込めて担ぎ去る。
S=三次宅
三次ナニッと立ち上る。
三四郎もおっ取り刀で飛び出そうとするのを三次が留めた。