輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

きょうりゅうとう

恐竜島

海野 十三

線上閱讀海野 十三《恐竜島(きょうりゅうとう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 98,662 字 · 199 頁

青空文庫

玉太郎もその木片に両手ですがりついたが、それはどうやら扉らしかった。

玉太郎は、ポチにならってその上へはいあがろうとしたが、扉は一方へぐっとかたむき、そしてやがて水の中へ扉はしずんだ。ポチは、ふたたび海の中におちて泳がねばならなかった。玉太郎は、その扉の上にはいあがることをあきらめた。

扉は、間もなく元のように浮きあがった。ポチも心得てそのうえにはいあがった。玉太郎は扉につかまったまま、流れていく覚悟をした。

ようやくすこし、心によゆうができた。

「いったい、どうしたのかしらん」

玉太郎は、しいて記憶をよびおこそうと努力した。

「そうそう、舳のところにいたまでは覚えている。と、とつぜんあたりが火になって……その前に甲板がぐらぐらとゆれ……大音響がして、そのあと……そのあとは覚えていない。その次は……こうして海の中にいた。そうか。船から放りだされたんだ。船はどこへいったろう」

玉太郎はあたりを一生けんめい見まわした。しかし汽船の灯火は一つも見えなかった。

「僕とポチを海の中へつきおとしたまま、モンパパ号は、どんどん先へ行ってしまったんだな」

玉太郎は、そう考えた。