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きょうりゅうとう

恐竜島

海野 十三

線上閱讀海野 十三《恐竜島(きょうりゅうとう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 98,662 字 · 199 頁

青空文庫

それは船首の方であった。甲板がゆるやかな傾斜で、上り坂になっていた。

ポチはいた。

舳の、旗をたてる竿が立っているが、その下が、甲板よりも、ずっと高くなって、台のようになっている、がその上にポチは、変なかっこうで、海上へむかってほえていた。しかし玉太郎が近づくと、にわかに態度をあらためて、尾をふりながら、上から玉太郎の高くあげた手をなめようとした。しかし台は高く、ポチはそれをなめることができなかった。

「あ、ここにいたね」うしろから声をかけて、ラツール氏が近づいた。

「ほう。そんな高いところへ上って。何をしているんだ」

「海の上を見てほえていたんですが、今おとなしくなりました」

「海の上? 何もいないようだが……」

と、とつぜんポチが台の上におどり上って、いやな声でほえだした。

その直後だった。玉太郎のふんでいた甲板が、ぐらぐらッと地震のようにゆれだしたと思う間もなく、彼は目もくらむようなまぶしい光の中につつまれた。と、ドドドーンとすごい大音響が聞え、甲板がすうーっと盛りあがった。

あ、あぶない! といったつもりだったが、そのあとのことはよくおぼえていなかった。