輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

わがじんせいかん

我が人生観

坂口 安吾

線上閱讀坂口 安吾《我が人生観(わがじんせいかん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 8,326 字 · 17 頁

青空文庫

私も探偵小説というものを書いて、ずいぶん自分に都合のよい兇器や殺し方を発明したが、ネバア・ハップンの小説が兇器になるとは思わなかった。探偵小説の読者は、この兇器では、とても納得してくれそうもない。

「トマサンの一生」はピンからキリまで、痛快に自分勝手で故障だらけ、かほど痛快に目のとどかない小説というのは珍しい。

しかし、元来、傑作というものは、目がとどかない作品なのである。かゆいところへみんな手がとどくというのは、実生活には大そう便利であろうが、芸術の傑作にはならない。人間は、男女いずれを問わず、惚れると目がとどかなくなる。そして人間の一生のうちで、最も香気の度が高いのは、そういうバカな状態の時なのである。そして芸術というものは、人間が落付きはらって、かゆいところへマンベンなく手がとどくような快適な実生活に実用品として役立つものではなく、目のとどかない不具の半面に夢や慰めを与えてくれる魔術のオモチャにすぎないものだ。

近松やシェクスピア作品など、実にどうも、悲しく目のとどかない作品だ。人を殺す必要もなく、死ぬ必要もない。ナニ、惚れる必要もありはせぬ。