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てしごとのにほん
手仕事の日本
柳 宗悦
線上閱讀柳 宗悦《手仕事の日本(てしごとのにほん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 116,621 字 · 235 頁
松本市は今も城廓を遺し、かつては小笠原氏の居を構えしところ。この界隈の製紙の業も盛なものでありましたが、私どもにとってもっと興味深いのは、この南安曇の有明村から出る「山繭織」であります。自然産であって、極めて堅牢であります。わずかより織られませんが、もっとその価値が認められねばなりません。但し山繭糸は容易に染めを受けつけませんが、自然の黄味が既に美しい色を呈します。松本市は古い町故、色々の手仕事が為されたでありましょうが、今作るもので私の眼に止まったのは竹細工でした。寒い国のこととて細い篠竹を使います。いわゆる「水篶竹」で、それで作ったものを土地では「水篶細工」と呼びます。沢山売る「竹行李」は別に珍らしくはありませんが、平に網代編にした敷物や炉縁は他の地方にないものであります。どんな大きさにも作られます。どの家庭でも、愛用されてよい品だと思うので、もっと世に知られることを望ます。松本市外の村々に工房を見られるでしょう。
藁工品で特色のあるのは凡そ尺二寸角ほどの「かます」であります。「かます」は叺の字を用いますが、元来は蒲簀から来た言葉であります。