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ぎじゅつのてつがく
技術の哲学
戸坂 潤
線上閱讀戸坂 潤《技術の哲学(ぎじゅつのてつがく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 84,443 字 · 164 頁
一定の目的の下に技術を促進させる一つの必然的な手段として、今日、資本主義国も社会主義国も、技術家の一般的な保護と研究補助とに力を致しているのは云うまでもないが、その特殊な場合として、発明(乃至発見)の奨励が行なわれる。之は一般的に云って当然技術家の社会的優遇となって結果する、と一応云うことが出来る。
尤も人々の考えによれば発明や発見は、偶然や偶発的な天才の結果であって、決して、技術家というような平均的な人間群に対してだけ特別な関係を有つものではないと考えられるかも知れない*。こういう論法で行けば技術家を優遇することは必ずしも発明の奨励や何かになるものではなくて、優遇されるべきものは、この凡庸な技術家達の代りに、技術家であるなしに関係なく、発明の天才者でなければならぬということになる。――だがもし本当にそうならば、一体発明の奨励というどこの国でも行なっている社会施設そのものが無意味でなくてはなるまい。なぜなら発明的天才又は一般に天才は、この考え方からすれば、社会施設によって奨励されると否とに関係なく、偶発的に天来のように発生しなければならない筈だったからである。