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ぎじゅつのてつがく

技術の哲学

戸坂 潤

線上閱讀戸坂 潤《技術の哲学(ぎじゅつのてつがく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 84,443 字 · 164 頁

青空文庫

ここでは発明的天才・独創は広く大衆的に開発され、発明は大衆的に奨励されるだろう。発明はこの時初めて無条件に発展し、又発明的技術家は、この時初めて一般的に広く、その優遇を享受することが出来ることになるだろう。技術の促進が之によって、他の社会に於けるものよりも、より正常により急速に行なわれるだろうことは明らかである。

発明家――発明技術家――を保護し優遇する筈である専売特許制度は、資本主義社会に於ては却ってその反対物に移行している。之によって保護され優遇されるものは、発明技術者ではなくて、パテントを安く買い取った、又は定給の支給によってパテントの占有を契約した、非技術家たる単なる資本家でしかないが、それだけではなく、発明技術家の受け取る筈であった利得は資本家の利潤に転化することによって、発明技術家自身に対して間接な損失となってさえ現われて来るのが落ちである。発明の機能はもはや技術の促進ではなくて、商品生産の労働となる。発明技術家は特許制度によって保護され優遇されることを通して、発明技術家全体としては結局圧迫されることにならねばならぬわけである。

元来資本主義社会に於ける特許制度は、今日では、技術の発展を促がす代りに、技術本来の発達を抑制するのがその唯一の機能となって了っている。