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たんていしょうせつのなぞ

探偵小説の「謎」

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《探偵小説の「謎」(たんていしょうせつのなぞ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 119,820 字 · 235 頁

青空文庫

王姫は逃がすものかと彼の手をつかむが、それは実は死体から切りとった腕であった。閨房の暗中の出来事だから、それと気がつかなかったのである。姫は賊を捕えたと思って、安心していると、本人は腕だけをのこして、闇にまぎれて逃げ去る。後に王様はこれを聞いて、若者の知恵に感心し、ついにかぶとをぬいで王姫を彼にめあわせた。めでたし、めでたし、という物語である。(このにせ腕のトリックはフランスの「ファントマ物語」に使われている。私は映画のその場面を、青年時代に見たことがあり、深く印象に残っていたので、後に何かの通俗長篇に、同じトリックを使ったことがある)

もう一つの紀元前の例というのは、やはり古代ギリシアの作家パウサニアス(前二世紀の人)の記録に出てくる。デルポイのアポロン神殿を造ったといわれる二人の建築家アガメデスとトロポニオスの話で、庫に抜け道を造ることから、罠にかかり、首を切ることまで、ランプシニトス王の物語と、そっくりそのままである。おそらくは、エジプトの伝説がギリシアに伝わり、別人の物語となって残っていたのではあるまいか。

ついでに、東洋の実例を挙げておくと、古くは仏典に例がありそうだが、未考。