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たんていしょうせつのなぞ
探偵小説の「謎」
江戸川 乱歩
線上閱讀江戸川 乱歩《探偵小説の「謎」(たんていしょうせつのなぞ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 119,820 字 · 235 頁
(一)錐のようなするどいもので突き通すこと、(二)ものを震えさせること、(三)突き通すような感動をあたえること、身震いしたり、ドキドキしたり身内がうずくような喜び恐れ悲しみなどの激情をあたえること、(四)鎗などを投げること、というのである。自動詞はこれから類推できるような意味を持っているし、名詞はこの動詞の転化したものである。つまりそのもとをただせば、鋭器で突き通す、震動させるという具体的な動作であったのが、(三)のような抽象的な感情を現わす言葉に転用されてきたものであろう。これを一と口にいえばスリルとは快(プレジュア)苦(ペイン)ともに鋭く急激な感動をあたえることと解してよいのだと思う。
そういう鋭い感動には、しかし、無限の段階がある。どういうものがスリルになるかは、それを受入れる人の情操なり知識なりの程度によってかわってくるのである。それゆえ、スリルの段階とはそれを受入れる人の頭脳の段階だと考えてさしつかえない。何十万という読者を持つ娯楽雑誌の歓迎するスリルは、もっとせまい範囲の知識階級の読者には適用しない。そういうせまい読者が何十万という読者の愛するスリルの読物をいわゆるスリラアとして嘲笑するのであるが、しかしその知識階級の愛するスリルもまた、いま一段高い標準からはやっぱり軽蔑されていることを悟ら