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はせくらじけん
支倉事件
甲賀 三郎
線上閱讀甲賀 三郎《支倉事件(はせくらじけん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 204,697 字 · 406 頁
孔子が容貌の君子然としているのに迷わされて、しくじったと恰で正反対の事が書いてある。が、要するに孔子のような大聖でも、つい容貌で人を判断して誤った場合があったので、孔子の失敗談は後にも先にも此の一事だけだから面白い。
所で、支倉喜平だが、彼はかく容貌が悪相だったが、その上に彼は実際悪い事をしている。既に前科三犯を重ねて、今又聖書の窃盗を遣り、女中に来た少女に暴行を加えている。之は何れも証拠があり罪状歴然としている上に、更に放火殺人と云う重罪の嫌疑をかけられている。之では警察当局者でなくても、先ず彼は悪人であると見なければならない。それから石子刑事が自宅を訪ねて来た時に逃亡してから逮捕せられるに至るまでの彼の行動と云うものは、頗る警察を愚弄したもので、その大胆不敵と緻密なる用意、奸智に長けたる事には驚く外はない。逃亡中に北紺屋署へ出頭して市電気局を訴えようとしたり、写真館に弟子入りしてそこを手紙の仲介所にしたり、いずれも普通一般の人間の考え及ぶ所ではない。
彼が何故あんなに逃げ歩いたか、何故警察に宛て嘲弄状を度々送ったか。彼自身の弁明は後に出て来るが、頗る曖昧で第三者を首肯せしめる訳に行かぬ。