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ほうろうき(しょしゅつ)
放浪記(初出)
林 芙美子
線上閱讀林 芙美子《放浪記(初出)(ほうろうき(しょしゅつ))》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 103,349 字 · 207 頁
途中で面白そうな土地があったら降りてやろうかな……私は頭の上にぶらさがった地図を、じっと見上げて、駅の名を読んだ。
新らしい土地へ降りてみたいな、静岡にしようか、名古屋にしようか、だが、何だかそれも不安になって来る。
暗い窓に凭れて、じっと暗い人家の灯を見ていると、ふっと私の顔が鏡を見ているようにはっきり写っている。
男とも別れだ
私の胸で子供達が赤い旗を振る
そんなによろこんでくれるか
もう私はどこへも行かず
皆と旗を振って暮らそう。
皆そうして飛び出してくれ
そして石を積んでくれ
そして私を胴上げして
石の城の上に乗せておくれ
さあ男とも別れだ泣かないぞ!
しっかりしっかり旗を振ってくれ
貧乏な女王様のお帰りだ。
外は真暗闇、切れては走る窓の風景に、私は目も鼻も口もペッシャリとガラス窓にくっつけて、塩辛い干物のように張りついてしまった。
私はいったい何処へ行くのかしら……駅々の物売りの声を聞くたびに、おびえた心で私は目を開く。
あゝ生きる事がこんなにもむずかしいのなら、いっそ乞食にでもなって、全国を流浪して歩いたら面白いだろう、子供らしい空想にひたって、泣いたり笑ったり、又おどけたりふと窓を見ると、これは又奇妙な私の百面相だ。