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ぶんがくとちほうせい
文学と地方性
宮本 百合子
線上閱讀宮本 百合子《文学と地方性(ぶんがくとちほうせい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 5,647 字 · 11 頁
の世界の幻想を作者自身本気に出来ないような落付かなさがあるのではなかろうか。ある地味では深かった根も、ここではその深さが役に立たずより多くの露出となって結果し、枯れるモメントとして作用するというようなことが、文化のギャップとでもいうようなものの極めて血液的ないきさつで存在するのではないだろうか。
このことは何となし関心にのこることがらであった。
大陸文学ということが云われ、内地の作家が大陸へ行ってものをかく。大陸での見聞を書く。だがそれで大陸の文学であろうか。アメリカの文学、ソヴェトの文学、どれも文体そのものの血肉の中に大きい陸地の上に生きて歴史を営んでいる人間の或る感じの特徴を脈うたせているという感銘は誰にとっても否定し得まいと思う。
このことも何となし心にのこされている事柄の一つである。
そこへ、六月『文芸』で中村武羅夫氏の「文学の地方分散」という感想を読んで、更に一つのものを加えられた心持がした。
従来文学が中央へばかり集ってしかもそこで類型化し衰弱しているように見える昨今、文学の地方分散の情勢が招来されつつあることは、朝鮮・満州などの文学的動勢に対する中央の文壇の関心を見ても、九州文学、関西文学などの活溌さを見ても、将来の文学に多極性と豊富さをもたらすものとして、大いに見らるべきであるという論旨