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ぶんがくのながれ
文学の流れ
宮本 百合子
線上閱讀宮本 百合子《文学の流れ(ぶんがくのながれ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 2,725 字 · 6 頁
て来ている。このような点では、科学の発展のヒントをつかむ人間精神の活動の瞬間と文学によりゆたかな作品をもたらすモメントと、大変互に似よっているのである。
近頃「事実の世紀」というようなヴァレリーの言葉が、一部で翻訳され、人間が存在する限り、方法的変遷を経て而も決して絶えることのない筈の「ヒューマニズムの終ったところから」「事実の世紀」である現代がはじまっているなどと云われたりしているが、現象追随では、肝心の事実さえつかまるものではない。
パール・バック夫人が、今度の事変について書いている文章がはっきりその実例を示している。
火野葦平という人が、芥川賞を貰った。彼が今日おかれている境遇にあって、自分が作家であるという自覚をつよめられたことは興味あることだと思う。「糞尿譚」の題材と文章との間にはギャップがあって、いかにもあの作の書かれた時の文壇を語っているものだが、彼の生活経験は、ああいう贅肉と線とをどのように引しめたであろうか。蓄積された経験はこれから、どんな文学の成果となって現れて来得るであろうか。この作家をめぐる内外の事情のなりゆきこそ、或る意味ではひとごとならぬ注目をひくものであると思う。