輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
ぶんげいのてつがくてききそ
文芸の哲学的基礎
線上閱讀夏目 漱石《文芸の哲学的基礎(ぶんげいのてつがくてききそ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 49,519 字 · 98 頁
この故にこれら四種の理想は、互に平等な権利を有して、相冒すべからざる標準であります。だから美の標準のみを固執して真の理想を評隲するのは疝気筋の飛車取り王手のようなものであります。朝起を標準として人の食慾を批判するようなものでしょう。御前は朝寝坊だ、朝寝坊だからむやみに食うのだと判断されては誰も心服するものはない。枡を持ち出して、反物の尺を取ってやるから、さあ持って来いと号令を下したって誰も号令に応ずるものはありません。寒暖計を眺めて、どうもあの山の高さはよほどあるよと云う連中は、寒暖計を験温器の代りにして逆上の程度でも計ったらよかろうと思う。もっともここに見当違いの批評と云うのは、美をあらわした作物を見て、ここには真がないと否定する意味ではない。真がないから駄目だ作物にならんと云う批評を云うのである。真はないかも知れぬ、なければないでよい。無いものを有ると云うて貰いたいとは誰も云わないでしょう。しかし現にある美だけは見てやらなくっては、せっかく作った作物の生命がなくなる訳であります。頭は薬缶だが鬚だけは白いと云えば公平であるが、薬缶じゃ御話しにならんよと、一言で退けられたなら、鬚こそいい災難である。