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いけぶくろのかい
文藝別冊[総特集]岡本綺堂
岡本 綺堂
線上閱讀岡本 綺堂《文藝別冊[総特集]岡本綺堂(いけぶくろのかい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 72,671 字 · 149 頁
「浮世風呂」などにも湯屋の二階のことが書いてあるが、三馬時代の湯屋の二階番は男が多かったらしい。江戸末期から若い女を置くようになって、その遺風は東京に及び、明治の初年には大抵の湯屋に二階があって、男湯の入口から昇降が出来るようになっていた。そこには白粉臭い女が一人又は二人ぐらい控えていて、二階にあがった客は新聞や雑誌をよみ将棋をさし、ラムネを飲み、菓子をくい、麦湯を飲んだりしていたのであるが、風紀取締りの上から面白くない実例が往々発見されるので、明治十八年頃から禁止された。矢場や銘酒屋を許可しながら、湯屋の二階だけを禁止するのは不公平だという議論もあったが、湯屋が本業である以上、副業の二階を禁じられても公然の反対は出来なかったので、湯屋の二階はここに亡び、「湯屋の姐さん」という名称も消滅した。
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毎年十月の候になると、流し場の壁や羽目に「例年の通り留桶新調仕候」というビラが掛けられる。これは三助(東京では普通に番頭という)に背中を洗わせる客に限って使用させる小判形の桶を新調するという意味で、単に新調するというのではなく、その桶を新調するに付、幾分の寄附をしてくれと云うのである。