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どうじ

文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子

室生 犀星

線上閱讀室生 犀星《文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子(どうじ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 177,454 字 · 357 頁

青空文庫

」そう言い、格子の外へ出た。道路はさき来たより最っと悪く、雨あしも小汚なく乱れ、四五軒つづいた長屋の入口の格子の裾がみな濡れはじめた。

わたしはなるべく、飛び飛びに歩いては、水たまりへ足を辷らせぬように用心した。が、爪掛けをつッ込み、ぬるい水を足さきに浴びた。――それでも乳を大切にかかえている自分の姿が、みすぼらしく寂しい気がした、八幡坂を上りかけると、塀の内がわに、卯の花が暗い雨に浮きながら腐れていた。

「大変な路だ。まるで歩けない。」

井戸端で足を洗い洗い言うと、夏は、くすくす微笑っていた。が、女はさっそく飲まさなければならないので、消毒の炭火をおこしていたが、乳の瓶を明りに透しちょいと眉をしがめた。

「これは腐っている……」

「そんなことはない。しぼって直ぐだと言っていたよ。」

「いえ、これをご覧なさい、ほら、滓がたまってどろどろしているでしょう。これを飲ませたらすぐ又不良くなりますよ。」

「困ったなア、あんなに苦労をしてとって来たのに。」

そのとき障子のうちに寝そべっていた奥さんと、座敷中を取り散らしてあったのを私は思い出し、不愉快になった。

「動坂はどうだろう?」