輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
ぶんちょう
文鳥
線上閱讀夏目 漱石《文鳥(ぶんちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 10,569 字 · 22 頁
籠はと聞き返すと、籠ですか、籠はその何ですよ、なにどこにかあるでしょう、とまるで雲を攫むような寛大な事を云う。でも君あてがなくっちゃいけなかろうと、あたかもいけないような顔をして見せたら、三重吉は頬ぺたへ手をあてて、何でも駒込に籠の名人があるそうですが、年寄だそうですから、もう死んだかも知れませんと、非常に心細くなってしまった。
何しろ言いだしたものに責任を負わせるのは当然の事だから、さっそく万事を三重吉に依頼する事にした。すると、すぐ金を出せと云う。金はたしかに出した。三重吉はどこで買ったか、七子の三つ折の紙入を懐中していて、人の金でも自分の金でも悉皆この紙入の中に入れる癖がある。自分は三重吉が五円札をたしかにこの紙入の底へ押し込んだのを目撃した。
かようにして金はたしかに三重吉の手に落ちた。しかし鳥と籠とは容易にやって来ない。
そのうち秋が小春になった。三重吉はたびたび来る。よく女の話などをして帰って行く。文鳥と籠の講釈は全く出ない。硝子戸を透して五尺の縁側には日が好く当る。どうせ文鳥を飼うなら、こんな暖かい季節に、この縁側へ鳥籠を据えてやったら、文鳥も定めし鳴き善かろうと思うくらいであった。