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みすじまちかいわい
斎藤茂吉随筆集
斎藤 茂吉
線上閱讀斎藤 茂吉《斎藤茂吉随筆集(みすじまちかいわい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 17,559 字 · 37 頁
もし都合がつけば当時唯一の便利な医学校といってもよかった済生学舎に通って修学する。それが出来なければ基礎医学だけは独学をしてその前期の試験に合格すれば、今度は代診という格になって、実際患者の診察に従事しつつ、その済生学舎に通うというようなわけで、とにかく勉強次第で早くも医者になれるし、とうとう医者になりはぐったというのも出来ていた。
当時の医学書生は、服装でも何かじゃらじゃらしていて、口には女のことを断たず、山田良叔先生の『蘭氏生理学生殖篇』を暗記などばかりしているというのだから、硬派の連中からは軽蔑の眼を以て見られた向もあったとおもうが、済生学舎の長谷川泰翁の人格がいつ知らず書生にも薫染していたものと見え、ここの書生からおもしろい人物が時々出た。
ある時、陸軍系統といわれた成城学校の生徒の一隊が済生学舎を襲うということがあって、うちの書生などにも檄文のようなものが廻って来たことがあった。すると、うちの書生が二人ばかり棍棒か何かを持って集まって行った。うちの書生の一人に堀というのがいて顔面神経の痲痺していた男であったが、その男に私も附いて行ったことがある。