輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

だんきょうきぶん

断橋奇聞

田中 貢太郎

線上閱讀田中 貢太郎《断橋奇聞(だんきょうきぶん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 12,144 字 · 25 頁

青空文庫

そこで棺には葢をして、もとのとおりに土を被せ、棺の中に入れてあった首飾などを持って、その夜、月の下を運河の岸に出て、そこから舟を雇うて世高の故郷の蘇州へ往った。

世高の両親はとうに没くなって、他に兄弟姉妹もないので、世高は何事も思いのままであった。彼は蘇州の我家へ帰るなり秀英と華燭の典をあげた。

そうして二人がいるうちに紅巾の賊乱が起った。それは至正の末年で、天子は元順帝であったが、杭州の劉万戸が人才であるということを聞いたので、それを用いることにして呼んだ。

劉万戸はそれを好まなかったが、辞することもできないので、夫人を伴れて京師へ向ったところで、張士誠という乱賊が蘇州に拠って劫掠をはじめていた。それがために途が塞がって進むことができなかった。しかたなしに呉門という処に宿をとって滞在していた。

その時世高と秀英の二人も、やはり張士誠の軍士の城内に侵入するのを避けて、群集に交って呉門まで逃げて往ったが、一軒の宿を見つけて入ろうとしたところで、劉万戸に似た老人がその入口に立っていた。秀英がそれを見て世高に囁いた。

「あれは、お父様ですよ、どうしてここにいらっしゃるのでしょう」