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あらたなプロレタリアぶんがく
新たなプロレタリア文学
宮本 百合子
線上閱讀宮本 百合子《新たなプロレタリア文学(あらたなプロレタリアぶんがく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 5,478 字 · 11 頁
桃太郎、カチカチ山、兎と亀その他いわゆるおとぎ話は、たくさんアレゴリーの形式で書かれている。
ロシアにもクルイロフというがっちりした爺さんがいて、エソープの焼直しものをうんと書いた。今でもレーニングラードの冬宮裏の公園へ行くと、濃い菩提樹のしげみのかげに、クルイロフの銅像が立っている。
だが、どうして、いわゆるおとぎ話、必ず教訓的結語をもった短いものがたりが、主としてアレゴリーの形をとられて来たんだろうか? どうも、作者が一般的な人間の貪慾とか浅慮とかいうものを抽象して来て、欲ばるとこんな目に会うぞという教訓を与えようとする場合、たれの心にでも、つまりどんな地位、階級のものにでもめいめいの立場によって生じる主観的な実際行為の正常化を前もって封じて、いおうとする話を受け入れさせるために、例え話の形をとったらしい。こじきの太郎とか王子のジョージとかより先に、おおかみと鶴、兎にたぬきなんかを持ちだして、話をすすめて行く形である。
アレゴリーの従来の利用価値は、いろいろあったにしろ、一部の事実として聞きてに聞きて自身や話の中の人物の階級性なんかまで考えさせずに、いいたいことをスラスラいって聞かせるというところにあったことは確だ。