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しんまんようものがたり
新万葉物語
伊藤 左千夫
線上閱讀伊藤 左千夫《新万葉物語(しんまんようものがたり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 4,832 字 · 10 頁
「この分ならば明日は起きていられるだろう」という、病母の話声にも力があった。
お小夜は父が今にも帰るだろうと思うから、炬燵の側へ祖母と国吉の寝床を敷いてやり、病母には猫火鉢へ火を入れて、いつでも寝られるようにしてやる。痒いところへ手の届くようなお小夜の働きぶりを病母も心から嬉しいのだ。
お小夜の母も、つい去年までは病躯を支えて二人の子供を介錯した。夫が駄賃に行って晩く帰ってくる。二人の子供を寝せ伏せ年寄をいたわりながら、夫の馬始末まで手伝ってやる、その永年の苦労は容易でなかった。
それが今では見る通りのありさまで、国吉ももはや手はかからず、お小夜は家の事何もかも身に掻取って病母に少しも苦労などさせない。お小夜が起ってかかれば、何でも見てる間に片付いてしまうように思われる。この頃は病母もその病身を一向苦にせぬようになった。
腕白盛りの国吉が、雀を捕り溜めてみんなに食わせたということも病身の親の身には埒もなく嬉しかった。お小夜が台所を片付けてしまう間、祖母と病母とは、話に力を入れて、
「まことに神様というは、有難いものですねい。いつまでも人を困らせて置かないから……」