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しんのあいこくしん

新渡戸稲造論集

新渡戸 稲造

線上閱讀新渡戸 稲造《新渡戸稲造論集(しんのあいこくしん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 94,620 字 · 196 頁

青空文庫

足を引っ張る。こんなことをして楽しんでいる男だった。或る日切りにエピクテータスが足を引っ張り捩じまわしては喜でいる。でエピクテータスはちと痛いので「そうなさると私の脚は折れますよ」といった。その中に主人はますます脚をねじまわしたので果して彼れの脚は折れてしまった。でエピクテータスはさもこそといわんばかりの顔付きで「そうら見て御覧なさい。今が今までそう言っていたじゃありませんか」と一向平気なものであった。さすがは哲学者である。かくの如く何もかも主人まかせで少しの意志些の自由をも有せないものが僕である。無論今日ではこの種の奴隷はいない。がしかし少しはいる。睡くても主人が手を拍てば諾といって立たねばならぬ。空腹でも食事中でも、寒くっても熱くっても主人の命なら進でこれを弁ぜねばならない。これらも可愛そうに人並で充分眠って旨いものを喰べてみたいに違いない。しかしそんな自由は出来ない。主人の仰せに服従せねばならない。キリストが弟子に教え給うにも始めは一種の命令であった。ところがこれからはみんな天父の教えを知悉したのだから僕とはいわぬ友と呼ぶと仰宣ったのだ。こう考えてくると、同じ目的を以て同じ天父の意志を理解する者、これが真の友達でキリストが友に対する精神であった。